映画『ラスト・ホールド!』感想

都合3回観ました。お芝居を観るようになってから映画館から足が遠退いており、そう簡単には行かない私が、同じ映画を3回も映画館で観る日が来るとは思わなかったですね。しかもそのうち1回は舞台挨拶ライブビューイング付き上映。それもこれも、先日の滝沢歌舞伎からこっち、阿部亮平くんに心臓を鷲掴みにされているためです。前売りすら買っていなかったのに…。阿部くんがっ、舞台上であんな顔するから…っ!

 

というわけで以下、脳内上映用の感想。引くほど長いのでたたみます(使い方がよくわからないからたためているか不安)。

 

 

 

2020年からオリンピック種目になるボルダリングを題材とし、青年たちが痛みと向き合いながら目の前の壁を越えていくたいへんわかりやすい青春ストーリーです。ひとりの競技者が最後のチャンスを目前にし、初心者数名とひとりの経験者を引きずり込んで競技に挑む。お、この設定、『風が強く吹いている』(三浦しをん)だな。ハイジ先輩……。
舞台は大学で、廃部目前のボルダリング部に岡島くん(塚ちゃん)が必死に勧誘活動を行うところからスタート。どうやら怪我で遠ざかっていた間に部員がひとりだけになっていたようだ。

 

まず引っ掛かったのが新井くん(ふっかくん)。青森から出てきた設定で、なまりと眼鏡と絶妙にダサイ格好で完璧な出で立ち。思わずスクリーンに手を振ってしまう。山に行けると騙され入部。
新井くんの呼び込みに突っかかる形で、彼女をボルダリング野郎桜庭(今野さん)にとられた桃田くん(渡辺翔太くん)が、それなら君もボルダリングをやろう!とけしかけられ入部。しょっぴーったらそのくるくる頭かわいい。基本桃田くんはボウリングシャツをお召しで、先日ウインドウショッピング中にすごく桃田くんぽいシャツを発見して欲しくなりました(桃田くんが着ていたやつではありませんよ、念のため)。でも高かった。もう少し悩む。

ふたりの新入生にごはんを食べさせる岡島先輩。ここのしょっぴーがめっちゃ可愛くて大満足。タッキーからなべ郎役を拝命した理由がとてもよくわかりました。ごはんのあとはこれ!とこのあと何度も出てくるプロテイン乾杯。
プロテインに導かれ足を止める高井戸くん(舘様)。元ドラマーの見せ筋。要潤みたい!とつい喜ぶ私。甘めボイスをキラキラさせながら入部。桃田くんが心の実況してました。ここまでは実況ついてるんだよなー。その様子を気にする河口くん(ひーくん)に、声をかける哲学科が似合わないにも程がある哲学科の桑本くん(さっくん)。

ボルダリング部がお手製の壁を作っている様子を見て頭上から声をかけるぷよぷよ通のゲーマー中道くん(阿部ちゃん💚)。私も頭上から声かけられたい…と登場シーンから頭を抱える羽目になりこの先耐えられるか不安になります。その語尾の可愛さなんなの! シャツがインの威力もとにかくすごい。足長い。基本的にパステルカラーをお召しで清潔感溢れて素敵でした。足長い(2回目)。
壁を運びながらダンスサークルに捕まっている河口桑本を見つけますが、何か理由があるようで経験者ながらボルダリングをやりたがらない河口(と道連れにされる桑本)の入部を賭け、喧嘩っぱやい桃田くんがボウリング勝負をすることに。すごく綺麗なフォームでガターを出すひーくんに笑いをこらえると共に、桃田くんのストライクの度にやんや盛り上がるボルダリング部を見ては微笑ましい気分に。
もちろん河口桑本を入部させ、これで7人。

 

さて、晴れて岡島先輩からボルダリングのルールや必要な練習を教わるスノと観客。あのさ…言いにくいんだけどさ…脳みそみたいなホールドがあるよね…。試しに登るのが桑本くんなのですけど、団体戦で登らないからここでボルダリングシーンにしたのかな?なんて。
私も取手川大学の学生になってボルダリング部の練習を見たいと願う数シーンが続きます。壁伝いをしても懸垂をしてもきつそうな階段登りをしても中道くんがかわいい(そろそろ恋は盲目)。懸垂のときひーくんが笑っているように見えてつられるのと、チョークで汚れるのがいやな中道くんに笑う。野球とか絶対できないねぇ。スノが練習している間、何やら登り方を悩んでいる様子の岡島先輩。
そして順番的にちょっと自信がないが、スノが大好きな桃田くんの腕立て伏せと高井戸くんの片手懸垂プロテインを添えても見られました。うふふふ。

 

個人戦ボルダリングって応援できるんですね。人の目が多くて緊張しそうな競技だなぁと見てました。岡島先輩の先輩役が、ヨーロッパ企画の永野さんと、駒根木さんという年齢的にとても不思議な配役…まぁ塚ちゃんもだけど。なんならスノもだけど。しょっぴーくんが外部舞台に出てみたいと話していたので、こういうところから縁が繋がるといいなぁと思います。
強豪昇竜大学のコーチ(勝村さん)と確執のありそうな河口。ボルダリングの試合の様子を初めて見たので面白かったです。決勝戦はその場でコースを作り替えるんだぁ、とかね。ガンバ!は定番の掛け声なのかな?とかね。
昇竜大学に桑本中道が嫌味を言われるシーンはお気に入りのひとつ。さっくんはうつむいちゃうし、中道くんはむっとしつつもがっかりしていました。ふふふ(悪趣味)。
決勝まで残る河口岡島も、登っている間に過去がフラッシュバックして掻き乱され、うまく登れませんでした。コーチには怒られるし。勝村さんを睨むひーくんがとても良かった。

 

お疲れさま会。みんな沈んだ表情でプロテイン乾杯。岡島先輩の引退が表明され、就活かぁ…とさらにがっくりするスノ。枝豆をすすめる新井くんや、新キャプテンに新井くんを任命した理由を「なんで?」と岡島先輩にタメ口で聞く桑本、しゅんとして小さくなってるのにセリフからキラキラ効果音が外れない舘様、語る新井くんに冷たく温かい対応をするあべさくなど見所多数。

 

団体戦に向けて張り切る面々。眼鏡が邪魔だったらしくコンタクトにした新井くんに、各人の得意分野を生かそうと提案する中道くん。どうやら団体戦は各人がタイプの異なる壁を登るようです。ここで謎のシーンが挟まるんだけど、なんで岡島先輩は河口くんだけに黒髪アピールしたんだ!笑
それぞれ得意なこと、ってことでスノ担的見どころの一連の流れです。ふふふ。にこにこ嬉しそうに踊る桑本くんに、男はやっぱり蕎麦な桃田くん、さりげになんでもできちゃう新井くんや、5手先まで読んでぷよぷよしている中道くん、音楽性の違いを寂しげに話す高井戸くん。ふふふ。ずっとにやにやしてました私。ふふふふ。
ここまでいろいろ吸収した面々、最後に山(岩)に行って練習することになりました。ここのところで、無言で「いわ?」って言ってる中道くんがキュートなので見てください。

 

岩場では、昇竜大学と喧嘩している間に桑本くんが壁から落ちて腕を折るという大事件が勃発。桜庭なんなんだよ!なんで急にあんなこと言うんだよ!と客席でイライラする私。桃田くんは悪くないぜ。個人的にツボだったのはさっくんの後ろでサポートする舘様でした。なんだかかわいくて。さっくんが落っこちたときの音はとてもリアルで怖かったです…。
病院で大島コーチが謝りに来るのですけれど、なんだか全然違う環境でボルダリングをやっているのだなぁと思ってしまいました。片やコーチ。片や就活中のOB。たいへんだよ。こういうとき責任を問われたらどうしたらいいんだろうね。桃田くんに詰め寄る勝村さんの顔が近すぎてちょっと緊張してしまった(おっさんずラブの見すぎ)。

 

さて、ここが最もこの映画でシリアスな場面ですが、河口くんの過去が明かされます。中道くんが河口くんに聞くの。聞き方が超かわいいからみなさん聞いてください(そればっかり)。
私は初見のとき、河口くんの不正が本当にあったことだと思っていなかった(なんらかの誤解なのではと期待していた)ので、本当にカンニングをしてしまったのだという彼の告白にけっこう衝撃を受けておりました。しかもどうやら、勝ちたい一心で罪悪感について考えていないようだった河口少年の様子にも驚きました。そりゃ、トラウマにもなる。自分が考えていたよりずっと大事であったことにショックを受けたはずです。河口少年よ、想像力が重要なのだよ。それで、失格になってしまった河口少年に、3位繰り上がりになった岡島少年がすごく素敵な言葉をかけるのです。これは泣いた。とにかくよかった。すごく無垢だった。塚ちゃんの役としてとても合っているのもよかった。不正が事実だったからこそ、この救いは重要だったな。河口少年があれ以来ボルダリングから離れてしまったとしても。
この告白を聞いた岡島先輩から「目の前の壁と向き合え」と言われた河口くん。つい、「岡島さんはそれができていましたか」と言ってしまい、ボルダリング部から離れます。ひーくーーーーーん!!涙

 

ひーくんがいなくなってしまい、桑本くんの怪我があり、団体戦が絶望的になったボルダリング部。部員たちはそれぞれ物想いにふけりながら時間を過ごすわけですが、でも、でも、やっぱり団体戦に出たい!!と決意を固めます。桃田くんなんてアケミとの写真を消すんですよ! 始めたきっかけなのに。上回ったんだなぁボルダリングが。手元のみですがバンドシーンがあり、自然と集結するスノ5。中道くんは揃いのユニフォームを作ってきます。「お金どうしたの」「ゲーム売った」「ヤなんだよ、チョークで汚れた服着るの」。…言い方が(略)。やっぱり6人は必要だな、勧誘行くか!と、もちろん向かうのは。

 

もーーー、このシーンがすごく好きなんですよ! 河口くん再勧誘シーン。ここのあたりからさっくんの話し方がものすごく素敵であることが浮き彫りになってきます。私はびっくりしました。さっくん、こんなに素敵に喋るのか。なんて自然なんだ。なぜまだ世間に見つかっていないのだろう…底知れない。あの一連のセリフで涙が出てくる。この話し方を聴いて、すごく登れそうなさっくんがどうして怪我する役回りだったのか腑に落ちました。このあとの団体戦のシーンで、解説をしてもらうためですね。すごく納得した。
それからこの映画を通して最も好きなセリフ、中道くんの「似合うと思うよ?」。たまらない。これは…。阿部担のみなさん生きておられますか。私はだめでした。思惑どおり心臓を撃ち抜かれ、たぶんこれを聴きたくて映画館に行っています。そしてこのセリフではっきりしたことがひとつある。私は当初、阿部ちゃんのセリフ回しは要修行と思っていたんですよ。だが違う。阿部ちゃんの喋り方は、ものすごく彼氏感が強いんだ。語尾の落ち方がとても甘いからそう聴こえるし、そもそも彼に惹かれている立場でこの話し方を聴くとすべてのセリフに溢れる彼氏感で苦しくなる。阿部ちゃんのこれまでの出演作をほとんど知らないのでなんとも言えないが、今回の中道くんの役ではこの話し方は正解だと思う。特に彼氏感の強い「似合うと思うよ?」も「どうして?」も、河口くんに向けられた言葉だからだ。いまのボルダリング部に、河口くんを迎える言葉があるべきだから。あぁそうか、同様の意味でも、ここのさっくんのセリフ回しが私は好きなのかもしれないな。
加えて、まだ食べ終わっていない河口くんを取り囲んでプロテイン乾杯する、という演出。とてもいい。河口くん、嬉しそうなんだよ。ひーくんは少年たちBTで拝見してからずっと、いい役者になりそうなひとだと思っていたけれど、この映画でそれを再確認できてうれしい限りです。
岡島先輩に電話するシーンもとてもかわいい。さりげに新井くんが中道くんを見るところが好きだし、口々にガンバ!と言うスノに、うるせーよお前ら、という岡島先輩の言い方も好きだった。

最終面接を控え、ジムへ行く岡島先輩。復帰してからずっと、登れなかったルート。ようやく、怪我をする前に登れたルートを登り切ります。このときの顔もちょっとよかった冒頭からずっと悩んでいたのを知っているのでまた泣きそうになる。これで、河口くんに「目の前の壁に向き合えた」と言えるね。

 

そしてついに、団体戦当日。
中道提供のシャツを着て、裸足で会場入りするスノがとてもかっこいい。岡島先輩は最終面接。面接官が久ヶ沢さんだったんですよ! ちょこちょこジャニーズの出ている作品に関わってくださって嬉しい。けいちゃんの舞台とか、山田くんのドラマとかね。今後ともよろしくお願いいたします。岡島先輩、面接中にやっぱり行かないと!と出て行ってしまうのですけれど、素敵な面接だったと思います。ひとりじゃ超えられない壁もある。
出場選手一覧を提出するギリギリで、雨の中走って金髪に戻った岡島先輩(このシーンは舞台挨拶VTRではっしーにつっこまれていた)が到着し、怪我をしている桑本の代わりに出場することに。いい感じで彼らの出番は最後です。最後ゆえ、失敗できる回数などが限られていることがわかり緊迫感が漂います。

 

団体戦はひとりずつ異なる課題を登ります。スタントなしで撮影したそうですので、彼らの運動能力の高さに感心します。一番手は桃田くん。(そういえばこの直前にアケミと再会シーンがありました。かっこよくなったね、のセリフに渡辺担は憤激でしたでしょう笑)
私はここの、桃田一番手の理由を説明する桑本が好きです。信頼感と自信が声から伝わるから。録音して桃田くんに渡してあげたい。そしてしょっぴーイケメン…。
二番手高井戸くん。なんだかすごい技を繰り出してきます。ひぇぇ、腕ちぎれそう。客席もどよめいていましたから、難易度が高いことをしたのだと思います。見せ筋、実用筋になったんじゃない?
三番手中道くん(あ、待って、新井くんとどっちが先だったか記憶があやふや)。持ち時間の半分をルート解析にあてるため、ざわざわする客席。思わず呼び掛ける駒根木さん。ここも、桑本の解説がいい。結局あいつが一番チョークまみれ、という声がとても可愛い。絶対いま優しい顔してるだろ…。登りきって嬉しくなった中道くんが、初めて大きな声で喜びを示し、それにちょっとびっくりしながら拍手で迎える面々。少し照れくさそうに笑う中道くんのお顔がめちゃくちゃ可愛いので見てください。好き。
四番手新井くん。レクチャーしていたお猿的ぶら下がりを披露…かと思っていたら、どう進むか悩んでいた模様。先に足を送れ!と桑本好サポート。ふっかくんイケメンだよね。頼もしい役回りはスノでの立ち位置にも見られるし、こういうひとがひとりいるとグループはまとまりよく見えていいなぁ。
五番手岡島先輩。とても晴れやかな顔をしていて嬉しい。これから登る壁に楽しみ!を隠せていない。復帰後しばらくひっかかっていた、飛んで掴まねばならないホールドの配置です。しっかり飛んで、掴んで。ガンバ!を聴きながらなんだか泣きそうになりました。
最後、河口くん。前を向き始めた河口を応援したい私は自然と客席で力が入ります。ひーくんがんばれ。一度目のトライは失敗。中道くんから両手でいってはどうか?と提案が入りますが、あのときの壁と塚ちゃんの壁を彷彿とさせる配置に、もう一度やらせてくれと言う河口。みんなその決意を受け止めて口々に応援してくれます。岡島先輩からも、思いきりやれ、と。掴め!ラストホールド!の決め台詞と共に飛びますが、二度目のトライも残念ながら落下。悔しそうというより悲しそうな河口くんに、大島コーチからガンバ!の声がかかります。ここでまさかの落涙な私。登りを見ればわかっちゃうんだなぁ…。再び顔をあげた河口が三度目のトライ。今度はしっかり掴み、完投です。なにかのインタビューでひーくんが、登るシーンは寄りのカメラを意識してお芝居したと話していました。いいねぇ。ほんと、ひーくんはいい役者になりそう。
登りきった河口を迎えるボルダリング部がとてもキラキラしていて、ついまた泣きそうになります。若者のキラキラに弱い。

 

インカレは2位に終わり、ラストシーン。岡島先輩に軽口を叩く中道くんにドキドキしながら(そういうこと言うようになったのねぇ)、もうすぐ終わっちゃうなぁと切ない気分でスクリーンを眺めます。岡島先輩には、久ヶ沢さんから(いや違うかもしれんが)内定のお知らせが入ります。おめでとう!と祝うやいなや、ボルダリング東京五輪の正式種目になるというニュースが入ってきます。…おや? これはもしや、オリンピックを目指す展開が待っていそうな雰囲気。練習場へ飛び出していくボルダリング部。岡島先輩は内定蹴りそうな勢い(笑)


いい終わり方だなぁと思います。これから来年のインカレ優勝を目指してまた頑張って、きっとオリンピックも視野に入れて、壁に立ち向かうんだろうなぁ。映画は終わりだけれど彼らがこの先も生きていくだろう未来を感じさせる終わり方。で、A.B.C-Zの『Future Light』が流れるんですよ。クレジットにオフショットを載せて。とてもいい。


阿部くんに惹かれるのがあまりにも遅かった、と項垂れながらも、映画館に行けばかわいい中道くんに会うことができるこの期間に好きになれたことはラッキーだったと思います。応援上映も盛況みたいですし、どうかな、いい結果が残せているといいな。ぜひともDVD化してもらいたいなぁと思っています。スクリーンでのお芝居を見て、彼らの新たな魅力にも気づくことができ、本当にありがたい映画です。塚ちゃんありがとう。もっともっと広く活躍を見られますように!